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レム睡眠の作用を解明、アルツハイマー病との関連を示唆―筑波大学ほか

10月23日、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の林悠助教らと理化学研究所脳科学総合研究センターの糸原重美チームリーダーらの共同研究グループは、レム睡眠が脳の発達や学習に寄与する可能性があることを発見したと発表した。

脳の活動状態は主に、「覚醒」「レム睡眠」「ノンレム睡眠」の3つに分けられ、夢は主にレム（急速眼球運動）睡眠中に生じることがわかっている。しかしその役割は、いまだ明らかになっていない。

研究グループは、遺伝子操作によってレム睡眠を操作できるマウスを世界ではじめて開発。レム睡眠が、神経細胞同士の連絡であるシナプスを強め、学習や記憶形成を促す作用をもつデルタ波という脳波を強める作用があることを突き止めた。

レム睡眠は新生児期に多いことから、脳発達にも重要である可能性が考えられている。また、成人では、アルツハイマー病やうつ病、睡眠時無呼吸症候群の患者において、睡眠中のデルタ波が減少することが知られており、レム睡眠の低下が、脳機能の低下を引き起こしている可能性が考えられるという。
研究グループはこ研究成果をもとに、これらの疾患におけるレム睡眠の異常とその他の症状との関連を検討することで、発症のメカニズムの理解や治療法の開発につなげることできると期待を寄せている。

◎筑波大学　報道発表資料
http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/151023hayashi4.pdf