厚生労働省は、10月27日、2015年版「厚生労働白書」を公表した。
厚生労働白書は、厚生労働行政分野について特定のテーマを設定し、現状の分析を行うとともに、関連する施策を紹介し、国民に理解を求めることを目的する。
2015年度版のテーマは「人口減少社会を考える~希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して~」とし、人口減少・少子高齢化の問題に着目。その背景や現状、国民の意識について分析し、人口減少克服に向けた施策を概観している。
人口減少克服に向けた取り組みを解説する章においては、子育て世代や女性・若者の支援とともに、人口減少に応じた施策の必要性を言及。その1つに「地域包括ケアシステム」を位置づけ、高齢者のみならず、障害者や子どもも対象に包括的に相談支援などを行う仕組みや、必要な人材について検討。「世代や抱える課題を問わず、全ての人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域作りを目指す」としている。
具体的な事例として、「妊娠・出産包括支援モデル事業」に参画している三重県名張市にて、地域包括支援センターを中核にした高齢者向けの相談支援機能が子育て支援をも担うようになったケースを「主体的なまちづくりの機運が形成」として紹介している。
◎平成27年度厚生労働白書
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/