支給限度基準額の撤廃、引き上げは慎重に?――部会傍聴レポート2

8月30日に開催された社会保障審議会介護保険部会では、「認知症者への支援のあり方」「要介護認定について」「ケアマネジャーのあり方」の3点について議論が行われた。傍聴レポート1に引き続き、その概要を伝える。

認知症者への支援のあり方」「要介護認定について」に関して論点となった、区分支給限度基準額の上限の問題と、認知症者の支援体制に関しては、各委員から次のような意見が挙がった。
まずは、区分支給限度基準額に関連した意見を紹介しよう。

「在宅で要介護4、5の人が支給限度額を超えて利用する場合は、全額自己負担ではなく介護給付を認める」よう提案したのは、勝田登志子委員(認知症の人と家族の会副代表理事)

また、斉藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会理事・事務局長)は、「前回の介護報酬改定で増えた各種の加算や医療ケアの利用拡大に対応した、区分支給限度額の引き上げは必要」と主張。加えて、区分支給限度額を超えている人の割合について、厚生労働省が提示した資料では、要介護5で4.8%、要介護4で4.6%、要介護3で2.9%、要介護2で3.3%、要介護1で1.8%、要支援2で0.3%、要支援1で1.2%と決して高くはないものの、「ケアプランに載せずにサービスを受けている場合には、これらの数値には表れないのではないか」と、実際のニーズとは乖離があることを指摘した。

結城康博委員(淑徳大学総合福祉学部准教授)も、「医療ケアを伴う要介護高齢者が増加傾向にある背景から、支給限度額を引き上げるべき」と主張した。

一方で、区分支給限度額の上限の撤廃、引き上げに慎重な意見も挙がった。

葛原茂樹委員(鈴鹿医療科学大学保健衛生学部医療福祉学科特任教授)は、「財源を工夫して使うには自分がどれくらい使っているのかわかるよう、自己負担があるべき」と指摘。

また、川合秀治委員(全国老人保健施設協会会長)も、「限度額撤廃ではなく、弾力的な運用を」と、懸念を示した。

他の委員からも、「限度額を引き上げるのは突然すぎる」との指摘があり、まず、自己負担比率を段階的に上げることで調整し、その検証結果を見た上で、次の段階として引き上げを考えてはどうか、との意見もあった。

認知症者の支援体制に関しては、「認知症コーディネーター」を連携の中心に配置し、地域のサポート、介護医療をつなぐ支援体制が、厚生労働省より示された。

これに対し、地域の支援体制を整備することが重要という点では特に異論はなかったものの、「認知症コーディネーターがどういう知識を要するのか、他の職種とどのように差があるのか」(桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険委員会委員長)代理の本永氏)、「サポート医が地域のコーディネート役、相談役を担うと考えていた。支援体制におけるサポート医の位置づけがはっきりしない」(三上裕司委員(日本医師会常任理事))など、支援体制の具体性を求める問いかけがあった。

引き続き、部会傍聴レポート3では、ケアマネジャーのあり方に関する議論を紹介する。

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