厚生労働省が9月8日に公表した、2014年の「受療行動調査」によると、「退院後、自宅で療養できない」と回答した入院患者は、療養病床を有する病院では36.6%にのぼり、病院の種類別で最も多いことがわかった。
受療行動調査は、全国の医療施設を利用する患者を対象に、医療を受けた時の状況や満足度などを調査することで、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的に、3年ごとに実施している。
調査結果は、病院の種類別(特定機能病院、病床規模別に大・中・小病院、療養病棟を有する病院)で集計されている。
入院患者に退院の許可が出た場合の自宅療養の見通しを訊ねた質問では、全体の55.3%が「自宅で療養できる」と回答し、24.3%が「自宅で療養できない」、14.0%が「わからない」と回答した。
「自宅で療養できない」と回答した人が自宅療養を可能にする条件では、「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」が40.6%で最も多く、次いで、「家族の協力」が35.4%、「療養に必要な用具(車いす、ベッドなど) 」が27.9%だった。
予約してから入院し、入院までの期間が1週間以上かかった人に、時間がかかった理由を訊ねた質問では、最も多かったのが「ベッドが空いていない」26.7%で、次いで「自分や家族などの都合」20.2%だった。種類別では、特定機能病院および大病院では「手術や検査の予約が取れない」、中病院および小病院では「自分や家族等の都合」が最も多かった。療養病床を有する病院では「ベッドが空いていない」が最も多く、時間がかかった理由の44.2%を占めた。
また、入院患者に病院に対する全体的な満足度について訊ねた質問では、「満足している」と回答したのは全体では66.7%だったが、療養病床を有する病院で「満足している」は63.2%で、病院の種類別で最も少なかった。
◎平成26年受療行動調査(概数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/14/index.html