皮膚に貼り付けるタイプのアルツハイマー型認知症治療薬「イクセロンパッチ(一般名:リバスチグミン)」が、1度の増量で維持量まで増やせるようになった。製造販売を行うノバルティスファーマが8月24日、発表した。
同剤はこれまで、1日1回4.5mgから使用を開始し、原則として4週ごとに4.5mgずつ増量し、投与開始から12週後に、維持量の1日1回18mgに達する3ステップを踏んでいた。
しかし進行性の神経変性疾患であるアルツハイマー型認知症の治療では、症状管理のため、より早くから維持量の投与を開始することが重要であるとして、薬剤の維持量に到達する漸増期間をできるだけ短くすることが望まれていた。
日本人のアルツハイマー型認知症患者を対象に行った臨床試験では、1ステップで維持量の18mg/日まで増やしても、3ステップ漸増法と同程度の安全性と有効性を有することを確認。
その結果をふまえ、従来の3ステップ漸増法か1ステップ漸増法かを、患者の症状に応じて選択できるようになった。
同剤は、2007年7月に米国、2007年9月にEUで承認されて以来、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の標準治療薬の一つとして、世界92ヵ国で承認されている。
日本では、2007年より小野薬品と共同開発を行い、2011年4月に製造販売承認を取得、同年7月にそれぞれ「イクセロンパッチ」、「リバスタッチパッチ」の製品名で両社より販売されている。
◎ノバルティスファーマ
http://www.novartis.co.jp/index.html