全国老人福祉施設協議会は8月19日、2012年度の業務実績の調査結果をまとめた「全国老人ホーム基礎調査報告書」を公表した。
調査は、同協議会の会員施設を対象に行われ、特別養護老人ホームは、対象となった4,550ヵ所のうち2,121ヵ所から回答が得られた。
■施設の状況
2,121施設の経営主体は、95.9%が社会福祉法人(社協以外)。施設の収支状況は、79.1%が黒字、18.3%が赤字であった。
1施設あたりの平均の常勤専従実人数は、介護職員24.8人、看護職員2.8人、介護支援専門員0.8人、事務職員2.0人であった。
このうち、常勤介護職員の年齢階層別にみた構成比は、20代が32.8%で最も多く、30代は27.6%、40代は19.2%で、年齢が上がるほど占める割合は低下する。
反対に、非常勤介護職員は、40代が22.6%で最も多く、次いで30代が20.6%、50代が20.2%と続くという結果であった。
常勤介護職員の勤続年数は、「5~10年未満」が25.5%で最も多く、次に「1~3年未満」24.3%が続いた。
■入所者の状況
入所者の要介護度は、「要介護5」が35.7%、「要介護4」が33.4%で、重度の入所者が約7割を占めるものの、「要介護1・2」の人も全体の1割を占めた。
入所者の所得段階で最も多いのは、「第2段階(世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下)」で、59.6%を占める。次に多いのは、「第3段階(世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以上)」で、19.7%を占めた。「第1段階(生活保護者等)」は5.0%であった。
入所者の入所年数は、「3.5~4年未満」が23.7%で最も高く、次いで「3~3.5年未満」19.0%、「4~4.5年未満」17.8%と続いた。
2012年度に退所した入所者の退所理由として最も多いのは「死亡(施設内)」43.2%で、次いで「死亡(入院中)」31.8%が続いた。
一方で、施設での看取り実績がないところは25.3%あり、看取りをしない理由は「看護体制がとれない」ことが大きいようである。