大阪大学の郡山弘寄附講座助教らの研究グループは5月27日、降圧を半年間持続できる高血圧治療ワクチンを開発したと発表した。
開発したのは、血圧を上昇させる働きを持つ「アンジオテンシンII」をターゲットにしたワクチン。高血圧を発症したラットに投与したところ、降圧が半年間持続し、生存期間の延長もみられたという。
現在、高血圧の治療には、おもにカルシウム拮抗薬やACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)といった薬剤が用いられているが、毎日服用が必要で、飲み忘れなどの問題がある。
将来このワクチンが実用化されれば、年1~2回の投与で、血圧を安定的に低下させながら、心血管病の発症を抑制できる。医療費の削減にもつながりそうだ。
厚生労働省の2012年の調べでは、高血圧性の病気により医療機関で治療を受けている人は900万人を超えている。