一般的な血液検査で、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を識別する方法が、筑波大学の内田和彦准教授を中心とするグループにより見出された。80%の精度で、識別に成功したという。
認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、アミロイドβペプチドと呼ばれる物質が脳内に蓄積することが原因の1つとして考えられており、蓄積は発症の20年ほど前から始まっているといわれる。
研究グループは、このアミロイドβペプチドを排除したり、毒性に防御的に働いたりするタンパク質が血液中で起こす変化が、認知機能の低下をとらえる目印になることを発見した。
この目印により、アミロイドβペプチドの蓄積を早期に発見し、治療的介入を行うことで、認知機能低下の進行を抑え、認知症の発症を防ぐことができる可能性があるという。
研究グループは今後さらに検査の精度を上げ、長期的な疫学研究の実施をめざすとしている。