警察庁は、8月19日、高齢運転者標識を現行マークから、四つ葉のクローバーとシニアの「S」を組み合わせた公募案の採用を決め、近く道路交通法施行規則を改正し、年内の導入を目指す。
4色を配したこのデザインは、若々しさを表す黄緑色と緑色、豊富な人生経験を表す黄色と橙色の4色を躍動感が出るように配置し、活発な高齢者のイメージしている。
同庁は今年6、7月、現行のもみじマークを含む5種類を示し、広く国民から意見を募集した。免許更新に訪れたドライバーら約3,500人にアンケートを実施した結果は、4割を超える人がクローバーを支持。高齢ドライバーの支持率も38%と最も高かった。
また、一般から寄せられた意見約1,400件でも、クローバー支持が27%と最多。理由として「幸せの象徴であり、幸せな気分で運転できそうだ」「カラフルな色使いでどのような車にも合う」などの意見があった。
一方、現行マーク指示も根強く、一般からは「新しいマークに変えると、国としても使う人にも金銭的負担がかかる」「視認性に優れていて、シンプルかつ良いデザイン」など。デザイナーからは「既に浸透しているデザインを敢えて変える意味が感じられない」「現行マークがいちばんシンプルで視認性がある」といった意見が寄せられた。
警察庁は、これらの意見を踏まえ、有識者らでつくる検討委員会において、実際に使用する高齢ドライバーの意見を最も尊重してクローバー案に決定し、立体感を加えるなどして視認性を高めたデザインとして採用することとなった。
なお、現行のマークを使いたい、変更による費用負担を懸念する声にも応え、当分の間は現行マークを使用できるように配慮するとした。