慶應義塾大学医学部の七田崇専任講師らは、白血病治療に使われる薬剤が、脳梗塞の治療にも使える可能性があることを発見した。
脳梗塞を起こした脳組織では、炎症反応が起きて梗塞領域が拡大し、手足のまひや言語障害などの神経障害の悪化がみられる。
研究グループは、「ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)」と呼ばれる酵素が、その炎症を悪化させることを発見。そこで脳梗塞を起こしたマウスに対し、BTKの作用を阻害するはたらきがある「イブルチニブ」という薬剤を投与したところ、脳梗塞領域の拡大が抑制され、運動機能にも改善が認められたという。
「イブルチニブ」は海外で白血病治療薬として使われている薬剤であるが、研究グループによると、脳梗塞の新規治療法にもなる可能性があるという。