中鎖脂肪酸の摂取が、アルツハイマー型認知症の症状改善と介護者の負担感軽減に寄与することが、日清オイリオの研究で示された。
中鎖脂肪酸は、ココナッツオイルや牛乳、母乳などに含まれる天然成分で、一般的な油よりも消化・吸収が早く、すぐにエネルギーに転換されるという特長をもつ。
研究では、クリニックに通院するアルツハイマー型認知症の80代男性と、若年性認知症患者向けデイサービスに通う60代男性9名に中鎖脂肪酸を摂取してもらい、その効果を検証した。
その結果、クリニックに通う男性は、約10gの中鎖脂肪酸の継続摂取で、開始から2週間後には、ものを盗られる妄想や疲れやすさ、記憶機能などに改善が見られるようになり、趣味の再開やよどみない挨拶・会話などができるようになった。
またデイサービスの若年性認知症患者では、中鎖脂肪酸20gを半年間、毎日摂取したところ、9名中7名に症状の改善が見られた。特に、記憶などの中核症状に加えて改善が大きかったのが、不安や無関心、うつといった周辺症状(BPSD)であった。また、9名中4名の家族も、介護負担感の軽減を実感したという。
この研究成果は、5月23日~24日に開催された第16回日本認知症ケア学会で発表された。
◎日清オイリオ
http://www.nisshin-oillio.com/