日本整形外科学会は5月15日、ロコモティブシンドロームの進行度合いを臨床的に判定する初めての基準を策定したと発表した。
「ロコモティブシンドローム」(略称「ロコモ」)とは、骨や関節、筋肉などの障害により移動機能が低下した状態のことで、進行すると要介護リスクが高くなる。
進行度合いの判定には、①下肢筋力、②歩幅、③身体状態・生活状況の3項目からなる「ロコモ度テスト」を行い、その結果から、移動機能の低下が始まっている状態を示す「ロコモ度1」、あるいは、さらに進行した状態を示す「ロコモ度2」と判定する。
「ロコモ度1」は、たとえば①下肢筋力テストで、高さ40cmの台に腰掛け、片脚で立ち上がれない状態だ。そのような人は、運動の習慣づけと、たんぱく質とカルシウムを含むバランスのとれた食事をとることが大切になる。
「ロコモ度2」では、たとえば①下肢筋力テストで、高さ20cmの台に腰掛け、両脚で立ち上がれない状態。生活に支障を感じていなくても、将来的に支障が出てくる可能性が高く、整形外科専門医の受診が勧められる。
また、痛みが感じる場合には、すでに運動器疾患が発症している可能性もある。
ロコモは、予備軍を含めると国内で4,700万人にのぼるともいわれており、対策が急がれている。厚生労働省も「2022 年までにロコモの認知率を80%までに向上させる」という目標を掲げている。
◎日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/jp/index.html