オムロンヘルスケアは、OMソーラーや慶應義塾大学などの2大学と共同研究を行い、足元の室温が家庭血圧に与える影響についての実証調査の結果をまとめた。
調査では、断熱性能が低い住宅と高断熱住宅とに住む86世帯、計137名(35~74歳)から有効サンプルが得られた。
それによると、断熱性能の高い住宅では、冬場でも、床上1.1m(着席時の頭の高さ)と床上10cm(足元)の温度差が1℃程度と小さかった。
ところが断熱性能が低い住宅では、暖房器具(床暖房を除く)を用いて床上1.1mの室温を20℃に暖めても、床上10cmの室温は平均で15℃と、5℃の温度差があることがわかった。
室内の温度差が、居住者の血圧へ影響を及ぼすこともわかった。断熱性能が低い住宅では、起床後に測定した最高血圧値が、床上1.1mの室温が10℃低下すると平均5mmHg上昇したが、床上10cmの室温が10℃低下すると平均9mmHg上昇がみられた。
また、50歳以上の人の平均血圧を、断熱性能が低い住宅と高い住宅とで比較すると、断熱性能が低い住宅では平均血圧が128.8mmHgであったのに対し、高い住宅では121.0mmHgであった。
これらの結果より、血圧の上昇を抑制するには、断熱性能を向上させ、室温を高く維持することが有効であるといえる。特に、着席時の頭の高さよりも足元の温度のほうが血圧への影響が大きいことから、足元を冷やさないための温度管理の工夫が重要であるようだ。
◎オムロンヘルスケア
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