NPO法人老いの工学研究所は3月31日、「高齢者の住まいに関する不満・不安」の調査結果を発表した。
調査は、今年2月に60~93歳の男女663名(男性270名/女性393名)を対象に行われた。
調査結果によると、現在の住まいについて不満・不安が「ある」あるいは「ややある」と回答した人は、男性32.3%、女性49.1%にみられた。
年代別にみると、60代前半が最も多く、50.7%にみられた。しかし65歳~84歳になるとやや低い40~45%で推移し、85歳以上になると21.4%まで低下した。
具体的な不満・不安で最も多かったのは「管理が大変(広すぎる・老朽化)」、次いで「段差・階段がある(室内)」であった。身体的な衰えや、家族構成やライフスタイルの変化に、住まいがマッチしていないと考えられる。
また、同居家族の有無でみてみると、男性は、ひとり暮らしの人ほど不満・不安が大きく、同居家族の人数が増えるほど下がるようである。
一方女性は、ひとり暮らしと2人暮らしではほとんど変わらないが、同居家族が3人以上になると不満・不安が増えることが明らかになった。
同研究所は、住まいに関して、男性は広さや性能よりも、家事をやってくれる人がいる、会話があるといったことを重視しており、反対に女性は家の広さや性能に不満を感じるのではないかと分析している。