東京大学の浦野泰照教授らは、がんが疑われる部分にスプレーすると、がん部位のみが光って検出できる蛍光試薬の開発に成功した。スプレーして数分で検出でき、外科手術時や内視鏡・腹腔鏡手術時に活用できるという。
浦野教授らは、2011年にすでに特定のたんぱく質分解酵素活性ががん細胞で高くなっていることを利用したスプレー蛍光試薬の開発に成功していたが、その試薬では見つけることができないがんが多く存在していた。
今回新たに開発された試薬は、新たにがん細胞中の糖鎖分解酵素に着目して開発され、マウスでの実験では全てのがん細胞の可視化に成功したという。
腹腔に転移したがんは、1mm以下の微小がんまで取りきることができれば、術後5年生存率が大きく改善するといわれる。
今回開発したスプレー蛍光試薬を手術中に使用し、微小がんの発見や取り残しを防ぐことができるようになれば、腹腔鏡を活用したがん治療に画期的な役割を果たすと期待される。
◎科学技術振興機構(JST)
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