東日本大震災から4年が経過し、防災意識を新たにした人も多いことだろう。
現在、様々な家具転倒防止器具が市販されているが、なかには「震度7対応」「震度7でも転倒を防いだ」などと表示した商品も見受けられる。
しかし東京都が行った商品テストでは、効果が検証された7つの検体すべてにおいて、震度6強の地震波で家具の転倒(転倒相当)が認められたという。
都は、「粘着マット式(※1)」「ストッパー式(※2)」「ポール式(※3)」の3種類の家具転倒防止器具を購入し、家具(タンス、食器棚)に取り付け、加振テストを行った。
震度6強では7検体すべてで家具が転倒(転倒相当を含む)したが、震度6弱では、転倒せず10~30cmの移動でとどまった検体が2つあり、それらはいずれも明確な震度表示がない検体であった。
器具単体ではいずれも震度6強で家具が転倒したが、都はさらにストッパー式とポール式を組み合わせてテストを行ったところ、家具は転倒せず、10cm以下の移動に抑えられたものがあったという。
これらのテスト結果から、都は、転倒防止器具の表示を過信せず、複数の器具を組み合わせたり、家具の置き方の工夫したりするなどの対策を呼びかけている。
この機会に、いま一度、自宅や利用者宅の安全対策を見直してみてはどうだろうか。
※1 粘着性のゲル状のもので、家具の底面と床面を接着させる器具
※2 家具の前下部にくさび状に挟み、家具を壁側に傾斜させる器具
※3 家具と天井の隙間に設置する棒状の器具