これまで積極的な摂取が推奨されてこなかったコレステロールについて、米国当局は「懸念すべき栄養素とみなさない」とする見解をまとめたようだ。2月19日にかけて、米国の各種メディアが取り上げている。
この見解は、米国人の食生活に関するガイドライン改訂に向けて、諮問委員会がまとめた報告書に盛り込まれている。食事によるコレステロールの摂取と血清コレステロールの間に特段の因果関係はないことがその根拠となっている。
つまり、コレステロールは体内でも合成されており、食事で摂る量よりもむしろ多いが、その体内合成コレステロール量に、食事によるコレステロール量が必ずしも反映されないということだ。
日本においても、厚生労働省が5年ごとに出している『日本人の食事摂取基準』の2015年版において、“目標値を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかった”として、コレステロール摂取基準の項目をなくしている。
前の2010年版では、18歳以上の1日のコレステロール摂取目標を、男性750mg未満、女性600mg未満としていた。