NECシステムテクノロジー株式会社は、独居高齢者の安否状況を確認し遠方の家族へ知らせる「24時間安否見守りシステム」を開発した。高齢者が自宅で使用している家電製品のコンセントや冷蔵庫の扉にセンサーを設置して利用状況などから異変を察知する。
見守りシステムは、「家電利用状況計測センサー」と「扉開閉状況計測センサー」の2つの装置で構成される。家電利用状況計測センサーは、高齢者宅の家電製品の電源コードとコンセントの間にセンサーをはさんで動作状態を確認する。扉開閉状況計測センサーは冷蔵庫や電子レンジなど扉を開閉するタイプの家電製品に設置することで、高齢者が扉の開閉をしているかを確認する。部屋の扉にも使用できるという。
冷蔵庫の扉が長時間開いている、寝ている時間にテレビがついている、電気製品を使った形跡がないなど、なんらかの異常を感知した場合、遠方の家族に数秒以内に電子メールで自動通知する。
本システムは、家電製品のコンセント部や扉部分といった目立たない部分へのセンサー装置設置のため、監視カメラによる室内撮影とは違い、高齢者のプライバシーを尊重した見守りが可能だ。大掛かりな装置の設置や配線工事の必要もなく、利用者の生活スタイルを変更したり新たな操作を必要としないのも高齢者に負担のない見守りが行えるメリットだ。
同社は今年2月から1カ月間にわたり、奈良県で一般家庭50世帯を対象に実証実験サービスを実施し、本システムの有効性を確認した。今後は、実証実験結果やアンケートで得られた意見などをもとにシステムの改良をし、事業化をすすめる。
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