徳島大学病院の大森哲郎教授ら(精神科神経科)を中心とする研究グループは、血液検査により、うつ病かそうでないかを客観的に判別できる可能性があることを発見した。2月4日、明らかになった。
研究グループによると、血液の遺伝子のDNAメチル化修飾という化学反応を複数組み合わせることで判別できるという。DNAメチル化修飾には、ストレスなどの環境要因が影響していると考えられている。
研究グループは、薬を服用していないうつ病患者と、うつ病でない人から採取した血液で遺伝子のDNAメチル化修飾レベルを測定し、うつ病かうつ病でないかを分ける遺伝子を選定。それを、別のうつ病患者とうつ病でない人にあてはめたところ、適用できることを発見したという。
うつ病は、一般人口の5%~8%にみられ、ストレスなどのさまざまな要因により生じると考えられている。
これまでのうつ病診断は、抑うつ気分や意欲低下などの臨床症状に基づいて行われていたが、診断しづらいケースもあった。
客観的なうつ病診断マーカーが開発できれば、早期診断・治療が可能となり、予後改善につながると考えられる。