アレルギーや風邪の諸症状を緩和する一部の薬の長期服用が、認知症の発症リスクに関連することを示す研究結果が発表された。
この研究結果は、1月26日、米国の医学雑誌「The Journal of the American Medical Association(JAMA)」電子版に掲載された。
花粉症などのアレルギーや風邪の諸症状を緩和する抗ヒスタミン薬(第一世代)や、抗うつ薬の一種である三環形抗うつ薬などは、抗コリン薬と呼ばれ、副交感神経を抑制することで症状を抑える。
ワシントン大学のShelly L. Gray博士のグループは、認知症を発症していない65歳以上の高齢者3,434名を対象に平均7.3年の追跡を行い、過去の診療記録および10年間の調剤データと照会した。
その結果、10年間の抗コリン薬の累積用量が、認知症の発症リスクに関連することが明らかになった。
ただし抗コリン薬は、過剰服用により口渇や記憶障害などの副作用が起こりうることが以前より知られている。
研究グループは、医療従事者と高齢者は、時間をかけながら抗コリン薬の使用を最小限に抑えることが重要だと指摘している。
◎Cumulative Use of Strong Anticholinergics and Incident Dementia(JAMAより)
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2091745