帝人は、1月8日、関西大学の田實佳郎教授(システム理工学部)との共同で、動きを感知してデータ化する生地を開発したと発表した。
ポリ乳酸繊維と炭素繊維を使用した世界で初めての生地で、「圧電ファブリック」と呼ばれる。
圧電体とは、圧力を加えると電気エネルギーを発生し、逆に電気エネルギーを加えると伸縮する特性を有する物質。「圧電ファブリック」は、圧電体にポリL乳酸繊維、電極に炭素繊維を使用することでセンサー等への使用が可能となった。
生地は、「平織」「綾織」「サテン」の 3タイプが開発され、平織タイプは「曲げ」を感知し、サテンは「ねじり」、綾織は「曲げ」「ねじり」に加え、「ずり」や3次元方向を感知する。
織り方や編み方には数百もの種類があり、変位や感知したい方向に合わせた設計が可能だ。
この技術をもとに、同社は、着用するだけで人の動きを精緻にデータ化できるようにすることで、遠隔医療や介護現場、伝統工芸などの職人技の可視化、さらに宇宙開発の分野に活用していきたい考えだ。