野菜や果物を摂取することで、日本人に多い下部胃がん(胃の下部2/3に発生)のリスクが男性で低下する可能性があることがわかった。国立がん研究センターが行った研究により、昨年12月18日、明らかになった。
日本では胃がん発生率が高く、がんによる死亡の原因は、肺がんに続いて第2位である。
国立がん研究センターが行った研究によると、野菜や果物の摂取量と胃がん全体のリスク低下には、明らかな関連性を認めなかったが、下部胃がんについては、野菜摂取量が多い男性ほどリスクが低下することがわかった。一方、男性と比べて野菜摂取量が多い女性については、そのような関連性はみられなかった。
下部胃がんの発生には、ピロリ菌感染が関連しているといわれる。
野菜や果物は抗酸化作用成分に富み、ピロリ菌などによるDNAへのダメージを抑える働きがあるといわれることから、摂取量が多いほど、ピロリ菌による発がんに予防的に働き、下部胃がんリスクが低下すると考えられる。
◎国立がん研究センター
http://www.ncc.go.jp/jp/index.html