認知症の人に思い入れのある音楽を聴かせ、記憶を呼び戻す様子を追った、米国のドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」が、12月6日より全国で順次上映される。
本作の中心となるのは、ソーシャルワーカーのダン・コーエン。
彼は、iPodを使って、認知症の人に思い入れのある曲を聞かせれば、曲の記憶とともに当時のことを何か思い出すのではないかと考え、認知症を患っている黒人男性ヘンリー(94)に音楽を聞かせてみた。
すると、娘の名前すら忘れていた彼が、ゴスペルの名曲を聴いた途端に当時の記憶を鮮明に取り戻したのである。
本作の監督マイケル・ロサト=ベネットは、老人ホームや病院で音楽療法を続けていたダン・コーエンとの出会いをきっかけに、3年かけて数百名の認知症患者に取材を行った。
作品には十数名の患者が登場し、音楽を聴いた途端、カメラの前で驚くほどに覚醒していく様子を見ることができる。
ミュージック&メモリーと名付けられたダンの音楽療法は、本作撮影途中にショートムービーをインターネットでアップしたところ、1週間で700万回再生され、いまや7ヵ国650ヵ所以上で行われている。
今年のサンダンス国際映画祭のドキュメンタリー部門でも観客賞を受賞した注目作だ。
◎「パーソナル・ソング」公式ホームページ
http://personal-song.com/