ユニット型施設個室面積20%引下げも止む無し!――聴講レポ2

厚生労働省は7月29日、第66回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「ユニット型施設の居室面性基準の引き下げに係る諮問」「一部ユニット型施設」について論議を交わした。

■ユニット型施設の居室面性基準の引き下げ
会議冒頭であいさつした山野井政務官は、ユニット型施設の面積基準引き下げの理由について「自己負担が高く、低所得者が入りにくい。少しでも自己負担を減らしたいという考えからで、ユニット型推進の原則は守っていきたい。介護の人権、尊厳を守っての提案と理解いただきたい」と説明した。

提示された改正案は、ユニット型施設の居室面積基準を現行の個室13.2平方メートル以上から、個室10.65平方メートル以上に引き下げるもので、これは多床室の1人当たり面積と同水準。対象は、特養のほか、介護老人保健施設介護療養型医療施設。これにより、用地の確保や居住費負担の高さなどの緩和を図り、ユニット型施設の整備促進を促すことを目指すという。

具体的な引き下げ効果としては、建設コスト削減とそれに伴う借入利息分の減少によって、総額で1施設当たり約4,760万円削減され、1人当たりの利用料は月額平均利用額約6.7万円の4%に当たる2,880円の減少と試算。廊下幅を削減した場合は、さらに経費が削減され、1人当たりの月額利用料は約4,300円減少することになるとした。

出席した各委員からは、賛成の意見が出る一方で、「待機者対策になるのはやむを得ないが、とても悲しい」「個室面積を20%削減するのに利用料5%減では、目的に沿うとは思えない」「せっかく広げたものを狭くするのはいかがなものか」「今は生活困窮者も1人1部屋の時代。施設に入って住環境が悪くなるのはおかしい」といった反対意見や、「4人部屋を作っていいという免罪符になるのでは「終の棲家として個室は当然。25平方メートル以上にするべき」といった多床室を容認することへの危惧、「面積基準引き下げに伴って、2012年度改定での介護報酬引き下げへの影響があるのでは」といった懸念、「補足給付の見直しを」との訴えも出た。

また、「全国一律に引き下げる必要があるのか。平均月額6.7万円を越える地域に限定したらどうか」「実際の建て方によって数字は違ってくる」「そもそも低所得者がユニット型に入れないのがおかしい」「建設コストの土地代に占める割合が大きい。国有地や公有地を安く貸しては」といった提案、意見など、この問題を少しでもよりよい方向に持っていけないかといった建設的な発言も次々に出された。

これに対して、水津高齢者支援課長は「あくまでもユニット型整備で、多床室整備にはしない。できることから速やかにやっていくという姿勢をご理解いただきたい」と説明。大森分科会長も最後に、「喜んでするわけではない。この後の政策運用で十分配慮いただく前提で答申する」として、委員全員で諮問を了承した。

今回の答申を受けて、約1ヵ月間、国民から意見を聞き、9月には施行することになる予定。

■一部ユニット型施設
「一部ユニット型施設」の論点は、全室個室化を推進する国の方針と異なり、一部の県では定員4人以下の従来型(相部屋)と個室を併設した施設を新設して、介護報酬を国の算定額よりも多く払っていることにある。

本会の席上で、厚生労働省の全国調査が公表され、2006年度以降、従来型併設の新設施設は、特別養護老人ホーム介護老人保健施設で、11都県、35施設に上っていることが明らとなった。

さらに、「一部ユニット型施設」について国が根拠にしている通知、多床室への要望が関東地方知事会、全国老人福祉施設協議会などから上がり、原則個室ユニット路線の堅持が特養をよくする特養の会などから上がってきていることなどが説明された。

こうした事実を踏まえ、介護給付費分科会では一部ユニット型施設についての検討を進める方針。8月中に自治体や関係有識者からヒアリングを実施するほか、9月上旬には報酬返還の考え方や、各方面からの要望を踏まえた一部ユニット型施設の在り方について審議を進めていくこととなった。

会議の冒頭で山野井政務官は「ユニット型について、国としてナショナルミニマムをどこまで守っていくか。地域主権に委ねるべきか。時代の流れの整合性を図っていきたい」と発言。本来あるべき姿と、現実との折り合いをどうつけるか。国と県、行政と利用者といった立場の違いを超えた論議が必要となりそうだ。

◎厚生労働省

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