東京医科歯科大学の岡澤 均教授(難治疾患研究所 )らのグループは、アルツハイマー病を発症する前の超早期病態として、タンパク質リン酸化シグナルの異常が存在することを突き止めた。
グループは、アルツハイマー病モデルマウスおよびアルツハイマー病患者脳のタンパク質を網羅的に解析し、アルツハイマー病が発症する前に変化が起こる複数のタンパク質を特定した。
このタンパク質の機能を制御することにより、新しいアルツハイマー病治療法に繋がる可能性があるという。
アルツハイマー病の脳内では「アミロイド(A)β」というタンパク質が蓄積していることが知られるが、Aβの蓄積が観察される時には、すでに病気が進行していると考えられている。
今回特定したタンパク質の変化はAβの蓄積よりも前に起こるため、アルツハイマー病の早期の病態を知る重要な手がかりになると期待される。
この研究の成果は、国際科学雑誌『Human Molecular Genetics』オンライン版に 9月17日に発表された。
◎東京医科歯科大学
http://sbsn.tmd.ac.jp/index.html