在宅医療を受けている高齢者の発熱に関する研究論文が、7月9日、英国のオンライン雑誌『BMJ Open』に公表された。
この論文を投稿したのは、広島大学や東京慈恵会大学などの5名の医師。
研究の対象となったのは、2009年10月~2010年9月のあいだに、東京の5つのクリニックで在宅医療を受けた65歳以上の患者419人。発熱の定義は、37.5℃以上、もしくは平熱よりも1.5℃以上高い場合とした。
医師らによると、発熱は全体の3分の1の患者で起こった。
さらに詳しくみると、発熱は、要介護度2以下よりも3以上の人のほうが起こりやすく、歩ける人よりも車いす使用者や寝たきりの患者、認知機能障害が軽度よりも中等度以上の人で起こりやすかった。
発熱の原因は、肺炎/気管支炎、皮膚/皮下組織感染症、尿路感染症、感冒であった。
医師らは、車いす使用者や寝たきり、認知機能障害が中等度以上といった重症の患者で発熱が多かったことから、医療提供者はこのような患者に対して頻回に体温を測ることを提案している。
また、日常生活動作や認知機能が低下している人では肺炎が起こりやすいことから、口腔ケアや肺炎球菌ワクチンの接種がすすめられるとしている。
◎BMJ Open 2014;4:e004998
http://bmjopen.bmj.com/content/4/7/e004998.full