介護の専門家に相談できる

＜産学官連携＞13種類のがんと認知症の早期診断システム開発に着手

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）と独立行政法人国立がん研究センター（NCC）、東レ株式会社（東レ）は、8月18日、大学研究機関・企業など他7機関とともに、健康診断などで簡便にがんや認知症を検査できる世界最先端の診断機器・検査システムを開発するプロジェクトに着手すると発表した。

プロジェクトは、NCCに蓄積された臨床情報とバイオバンクの検体、マイクロRNA腫瘍マーカーについての研究成果を基盤とし、東レが開発した高感度なDNAチップと、東レとNCCが共同開発した血液中に存在するマイクロRNAバイオマーカーの探索方法を活用する。
マイクロRNAは、血液や唾液、尿などの体液に含まれる遺伝物質の一種で、がんなどの疾患にともなって患者の血液中で種類や量が変動することが明らかになっており、新しい疾患マーカーとして期待されている。

プロジェクトでは、NCCと独立行政法人国立長寿医療研究センター（NCGG）のバイオバンクに保存されている数10万検体の血清から13種類のがんやアルツハイマー病などの認知症について疾患の早期発見マーカーや、医療現場で必要とされるさまざまな疾患マーカーの探索を網羅的に行うことで、確度の高い疾患マーカーの確立を目指し、このデータをもとに検査装置の開発を進める。
実用化されれば、身体的な負担の少ない血液検査でがんや認知症の早期発見、治療開始が期待できるという。

プロジェクトは、NCCの研究部門と臨床部門、東レをはじめとする9機関の連携、さらにNCCと8大学の共同実施によって実施される。事業期間は2014年度～2018年度の5年間、事業規模は約79億円を予定している。

◎独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）
http://www.nedo.go.jp/

◎独立行政法人国立がん研究センター（NCC）
http://www.ncc.go.jp/jp/

◎東レ株式会社
http://www.toray.co.jp/