厚生労働省は8月5日、身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイトを設置し、運用を開始した。
今年春ごろから、認知症による徘徊で行方不明になっている高齢者が1万人との報道や、身元不明のまま施設で暮らしている認知症高齢者が、テレビや新聞報道などをきっかけに家族と対面するケースが相次いでいる。
これまでは、もともとの居住地域やその周辺のみへの届け出や捜査が中心だったが、遠方で見つかるケースが多いことから、同省はホームページのトップページに専用サイトのバナーを設置。保護されている身元不明者の情報を公開している都道府県にアクセスできる仕組みを構築し、一般に公開した。
■特設サイトの設置および運用について
身元不明の認知症高齢者等については、その捜索活動に資するよう、「個人情報を本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるときは、同意が得られなくても自ら当該情報を利用または提供を行うことができる」旨の個人情報保護条例の規定に基づいて、一部の地方自治体のホームページ上で情報公開を行う取組が行われている。
厚生労働省としても、都道府県圏域を越えた捜索活動に役立つよう、また、地方自治体がホームページ上で身元不明の認知症高齢者等に関する情報公開を行っている場合、すぐにアクセスできるよう、各地方自治体のホームページ上で公開されている身元不明の認知症高齢者等に係る情報について、各地方自治体からの依頼を受けてリンクを掲載。
また、幅広く身元不明の認知症高齢者等の捜索活動に資する視点から、都道府県単位の取組だけでなく、市区町村単位の取組についても掲載の対象とする。
なお、身元不明の認知症高齢者等の状況について調査した結果、圏域内にはそのような人が存在していないことが明らかになった場合には、その旨を各地方自治体のホームページ上で公開することで、当該ホームページへのリンクについても掲載の対象とすることとしている。
◎行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000052978.html