独立行政法人「製品評価技術基盤機構」は、ハンドル形電動車いすによる事故が2009年までの5年間に67件あり、このうち80代の男性を中心に、20人が死亡、16人が重症事故を起こしていると発表した。
同機構によると、2005年度の事故が9件だったのに対して、2008年度は20件、2009年度は17件と急激に増加しており、年代と性別がわかっている事故を分析した結果、高齢の男性に多く発生し、その半数以上が死亡や重傷に至っていることがわかった。
事故原因を調べたところ製品に問題があったものは14件で、誤使用や不注意によるものが27件と多く見られ、27件のうち死亡や重傷を負うケースが7割以上を占めていた。
具体的には、道路から2メートル下の水田に転落したり、下り坂を走行中に転倒したり、カーブを曲がりきれずに路から飛び出して転落する、クラッチレバーを解除して坂道走行するといった、操作ミス、悪路走行など。
事故防止のためには「購入時やレンタル時には十分な練習を行う」「傾斜した路肩や砂利道は走行しない」「坂道でクラッチを切ると、スピードが加速してブレーキが効かなくなるので注意」などを呼びかけている。
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