高齢者向けの介護施設紹介事業を行う「あいらいふ入居相談室」(株式会社ザップ)は、7月、有料老人ホーム73施設を対象に実施した「認知症ケア」のアンケート調査結果を発表した。
調査は、2014年5月に、主に首都圏の施設で実施された。調査結果によると、各施設の入居時に認知症である割合は50%以上であるため、約35%の施設で認知症対応の専用フロアを設け、34%の施設で認知症ケア専門士や指導管理士などの専門有資格者を置いていた。
「認知症ケア」として一番多かったのが「音楽療法」で、約25%の施設で実践されていた。それに続くのが、アートセラピー約22%、園芸療法19%。新しい取り組みとしては「タクティールケア」「ックリニカルケア」「気功」などが挙がっていた。
「音楽療法」に最も力を入れている理由としては、「声を出すことで、食欲増進や複数の効果が考えられる」「回想法の実践になる」「気軽に行える」「参加型のレクリエーション」「心が穏やかになる」「歌うことが好きな人が多く、参加者が多い」「年代に合わせた選曲ができる」など、多くの魅力が挙げられた。
個人の尊厳の確保と安全管理のために導入しているものとしては、「センサーマット」「居室の窓にロック」「日中は食堂など、共有スペースで過ごす」「フロアの階段やエレベーターにキーロック」「玄関にキーロック」などがそれぞれ10%を超えた。
家族に協力してほしいこととしては、主に「面会」「認知症へのさらなる理解」「認知症であることの受け入れ」の3点に絞られた。「認知症を病気と捉えて受け止めてほしい」「帰宅願望が強いときなど、本人の心の安定を図るために、外出などに連れて行ってほしい」「叱責せず、やさしく見守ってほしい」など、認知症である本人との接し方により、本人が穏やかに過ごせるかが違ってくることを訴えている声が聞かれた。
◎あいらいふ入居相談室
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