ニチイ学館は、7月1日開催の取締役会において、中華人民共和国政府(民政部)が直轄する「中民養老企画院」と業務提携することを決議し、同日付で同院との間で戦略的提携合意書を締結したと発表した。
中国は高齢化が急速に進み、2013年には60歳以上の高齢者が2億人を突破、それに対し介護従事者は1200万人不足していると言われている。中華人民共和国政府は、高齢者介護のインフラ整備を進めると共に、2015年までに90%の高齢者を社会的なサービスを利用しながら在宅で介護をすることを目標に掲げている。
中民養老企画院は、中華人民共和国政府「民政部」が、2013年10月に設立した全国性の社会組織団体であり、介護産業における刷新的な発展事業の研究や、介護運営スキームの普及、介護技術ノウハウの開発、介護市場形成の助成等に取り組んでいる。
同社は、2012年に子会社である株式会社ニチイケアネットが上海に現地法人を設立し、福祉用具の卸販売事業を通じて中国における介護ニーズを調査すると共に、中国民政部系視察団が来日した際には、介護施設や介護運営システム状況を案内するなど、信頼関係の構築にも努めてきた。加えて、昨年からはニチイ学館が直接、北京・広州・香港にも現地法人等の拠点を設け、各地域の中国事業者との交流を重ねるなど独自のマーケティング活動を行いながら、中国での本格的事業化に向けての準備を進めてきた。
今回、中民養老企画院との間で締結する戦略的提携合意では、中国各地域で標準化・専門化された介護運営による「モデル施設」を立ち上げるなど、良質で効率的な介護の普及と健全な介護市場の形成に努めることを主目的としている。
同社は今後、中民養老企画院の協力のもと中国法人との合弁会社設立を目指し、介護施設運営、介護従事者の養成研修、社区での養老サービス運営などのコンサルティングや、高齢者用サニタリー用品の普及なども併せて行う予定。
この事業は、中国における高齢者介護を整備推進する上で、その成果が期待されており、同社は日本の介護業界のリーディングカンパニーとして与えられた使命と捉え、中民養老企画院と協力して、中国での健全な介護市場形成に貢献していく。
◎ニチイ学館
http://www.nichiigakkan.co.jp/