警察庁は、7月15日、75歳以上のドライバーに対して昨年6月から免許更新時に義務付けられた、認知機能検査(講習予備検査)の1年間の実施状況を発表した。
まとめによると、今年5月までの1年間の受験者は76万2,773人で、全体の約2%に当たる1万4,189人が第1分類「記憶力・判断力が低くなっている」と判定された。このうち、過去1年以内か免許更新後に信号無視など特定の違反を犯した人には、専門医の受診(臨時適正検査)を義務付けられており、今回の該当者は102人。医師の診断で認知症と診断され、免許取り消し処分を受けたのは28人だった。
このほか、「記憶力・判断力が少し低くなっている」と第2分類に判定された人が18万8,935人(約25%)。第1分類と判定され、高齢者講習で明らかに運転に支障があると認められた142人のうち、84人は更新せずに免許を失効したり、取り消されたりしたという。
長寿化とともに高齢者ドライバーも増えているが、高齢になればなるほど物忘れや認知症にかかるリスクも高まる。自主的免許返納には、なんらかの褒賞を出している自治体もあり、家族に高齢者ドライバーがいる家庭は、本人を傷つけないように配慮しながら、一度家族で「いつまで安全に運転できるか」を話題にしてみてはどうだろうか。