公益社団法人日本老年精神医学会ほか認知症に関係する5学会は、ホームページ上で「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドラインについて」を公表している。
昨年、一定の病気等に係る運転者対策に関して道路交通法の一部が改正され、平成25年6月14日に公布された。認知症に関しては、以下の3点が新たに設けられた。
1)免許を受けようとする者等に対し、病状に関する公安委員会の質問に対し虚偽に回答した者に対する罰則
2)認知症等を診断した医師による任意の届出制度
3)認知症の疑いのある者を医師の診断までの間、暫定的に3か月の範囲で運転免許証の停止
このなかで、2)の認知症等の診断の届出に関しては治療あるいは医師患者関係等に種々の支障を及ぼす可能性があり、慎重な対応が求められる。
そのため、認知症に関係する5学会が合同で届出に関するガイドラインについて協議・策定し、その内容を示している。
ガイドラインの主なものは以下のとおり。
•医師が認知症と診断し、患者が自動車運転をしていることがわかった場合には、自動車の運転を中止し、免許証を返納するように患者および家族(または介護者)に説明して、その旨を診療録に記載する。
•認知症の診断の届出をする際には、患者本人および家族(または介護者)の同意を得るようにする。
•届出をした医師はその写しを本人もしくは家族(または介護者)に渡すようにする。
•家族または介護者から認知症がある患者の運転をやめさせる方法について相談を受けた場合には、本人の同意を得ることが困難な場合も含め、状況を総合的に勘案し相談を受けた医師が届出について判断する。
なお、ホームページでは、「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン」および「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドラインQ&A」を示している。
http://www.rounen.org/
◎警察庁交通局運転免許課の通達(平成26年4月10日)
http://www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/menkyo/menkyo20140410.pdf
◎日本老年精神医学会
http://www.rounen.org/