警察庁は6月5日、「平成25年中における行方不明者の状況」を発表した。
発表によると、去年1年間に全国の警察には約8.4万人の行方不明者の届出があり、そのうち約1万322人が家族などから捜索願(行方不明者届)が出された認知症、またはその疑いのある人で、その数は前年より715人増えていたことがわかった。
また、平成24年、25年の2年間に届出のあった1万9,929人のうち、今年4月末の時点で151人の行方がわかっていない。さらに、警察が保護して自治体に引き継いだ人のうち、身元がわからない人が5月末現在で13人。去年、所在確認された人のうち388人は死亡していた。
今回のように認知症の行方不明者に的を絞った統計をまとめたのは初めてのこと。警察庁は全国の警察に対し、不明者照会データベースの積極的な活用、市区町村との情報共有の促進など、早期の発見と保護に向けて対策を取るよう指示を出した。
田村厚生労働大臣は6月6日の定例記者会見において、個人情報の保護に配慮する必要があるとしながらも、「他の自治体で行方不明で捜索している場合、捜しておられる方々にうまくマッチングできるような情報が、それぞれのところに伝わるような仕組をつくらなくてはいけない」と強調した。それに向けてまずは、認知症行方不明者の実態調査を各自治体に依頼。また、認知症の行動パターン、徘徊の行動パターンなどの研究も進めていくとしている。
◎厚生労働省
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◎警察庁
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