<優遇されすぎ?>高齢者のありようと役割についての意識調査

高齢者の生き方・老い方を研究する特定非営利活動法人老いの工学研究所は、5月12日、高齢者のありようと役割に関する調査の結果を発表した。

高齢者のありようや役割について、年代による認識の差を明らかにすることを目的にアンケートを実施しました。その結果、高齢者は経済的・能力的には弱者ではないが、健康的には弱者と考える人が多く、長寿に価値をおく人は、高齢の女性ほど少ないことなどがわかった。

【調査の概要】
■調査期間:2014年1月8日~3月7日
■調査方法:郵送・インターネット
■回答者:20歳~87歳の男女851名(男性424名 女性427名)

主な調査の結果は以下のとおり。

■経済面・能力面で「高齢者は弱者ではない」と、高齢者の半数が回答
高齢者は健康面で弱者か」という質問に対して、肯定した(「そうだ」「ややそうだ」と回答した)人の割合は、全ての世代で8割を超えたが、「経済的に弱者か」「能力面で弱者か」に対しては、70歳代で半数程度、80歳代でも6割程度にとどまった。
また、経済面・能力面で弱者とする割合は若い世代で低くなっており、若い世代ほど、高齢者がお金や能力を持つ人たちだと考える傾向にあった。

高齢者の役割は「伝承」「体現」「交流」 
高齢者の社会における役割について質問したところ、高齢者自身も若手世代も、「知識・技術や伝統・慣習を伝えること」「規範やマナーの体現すること」「世代間の交流を行うこと」の3点を、高齢者の役割と認識していることがわかった。

また、若い世代は、「IT機器を使いこなす」「アンチエイングに励む」といった高齢者を望まず、「伝承」「体現」など、年の功を発揮してもらうことを期待。アンチエイジングに励むべきだと考える人は、年代があがるにつれて徐々に割合は増えたが、40歳代までは半数程度、60歳代を超えても6割程度にとどまった。

■若いほど「高齢者を優遇しすぎ」と考える傾向。「生涯現役でいるべき」と考える高齢者は半数
若い世代の6~7割が、高齢者に対してもっとお金を使ってもらいたいと思っている一方、高齢者は消費・投資に消極的。現役世代が高齢者を「経済的な余裕のある人達だ」と見ているのに対し、高齢者自身は「先行きの経済的不安を感じる人」「余裕があっても財産を残すことを優先する人」「お金の使い道があまりないと思う人」など多様で、世代間で認識のギャップが見られた。

また、「公的制度で、高齢者を優遇しすぎだ」「高齢者の政治に対する発言力が大きすぎる」とした割合は、若い世代ほど多くなっており、社会保障の世代間格差などの問題の一端が伺える結果となった。
60歳代以降で「公的制度で、高齢者を優遇しすぎだ」「高齢者の政治に対する発言力が大きすぎる」とした人も30~40%おり、次世代への配分を大きくすべきだ、次世代の意見を取り入れるべきだ、と考えている高齢者は少なくない。

「生涯現役でいるべきだ」と考える人は、40歳代の65%まで上昇するが、50歳代以降は50%台で推移した。
また、「後進に道を譲るべき」が4割程度、「悠々自適でいるべき」も7割程度で、仕事などから身を引いて、その後は静かに暮らすような、昔ながらの高齢者のライフスタイルが根強い支持を集めていることがわかり、生涯現役社会の実現という国の方針は、浸透していないことが伺える。

高齢者を健康面で弱者と考える人ほど、経済的にも能力的にも弱者とする傾向
高齢者は健康面で弱者か?」という質問に対する回答と、「経済的に弱者か」「能力的に弱者か」という回答との関係を見ると、「健康的で弱者」に「そうだ」と答えた人は70%が「経済的にも弱者」、62%が「能力的にも弱者」と回答。「そうではない」と答えた人は、17%が「経済的にも弱者」、13%が「能力的にも弱者」と回答し、健康面で弱者だと考える人ほど、経済的にも能力的にも弱者だとする傾向が顕著であることが判明した。

「長寿はめでたいことか」「長生きそのものに価値があるか」という質問に対し、肯定した人の割合は、60歳を超えると急に低下しており、自分自身が高齢になる過程で、長生きを単純には評価できなくなってくる心理が伺えた。

「長生きそのものに価値がある」を肯定する人は、男女・年齢別では、20歳代を除くすべての年代で女性の方が低い割合となり、男性よりも女性のほうが、寿命よりも生活の充実度を重視する傾向があることが読み取れる。70歳超では、「長寿はめでたい」と思う女性は半数を下回り、「長生きそのものに価値がある」と考える人は30%程度にとどまった。

◎特定非営利活動法人 老いの工学研究所
http://oikohken.or.jp/

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