トロミ調整食品などの高齢者・介護対応食品を製造・販売している日清オイリオグループ株式会社は、4月16日、急速に進む高齢化と寝たきり高齢者の増加に伴い、在宅介護の現場で増えている床ずれの予防法について発表した。
「床ずれ」は「褥瘡(じょくそう)」とも呼ばれ、身体の同じ部分が圧迫され続けることによって皮下組織の血流が悪くなり、酸素や栄養が行き渡らなくなる循環障害が生じて皮膚や組織が壊死することを言う。寝たきりの人や神経まひなどの障害をもつ人が、自分で身体を動かせずに長時間同じ姿勢で寝ていることで発症する場合が多く、高齢化が進む近年において特に問題視されている疾患の一つであり、平成26年度の診療報酬改定では、具体的な対策が示されている。
床ずれの危険因子の1つである寝たきりは、脳血管疾患の後遺症によるものや認知症、高齢による衰弱・老衰、関節疾患など様々な原因によって、誰にでも起こる可能性をもっている。
日本の高齢化率は上昇の一途をたどっており、2012年度の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は24.1%(前年23.3%)と過去最高を記録。また、高齢化に伴い増加が懸念される寝たきり高齢者については、2025年には230万人と、1993年から比較をすると約2.5倍にも膨らむ恐れがあるとして、社会問題となっている。
高齢者の健康を支えるために必要不可欠な栄養管理は、床ずれ予防においても重要なポイントと言えます。平成22年度国民健康・栄養調査の報告によると、低栄養傾向(BMI≦20)にある65歳以上の高齢者は17.4%。厚生労働省は、2013年〜2022年度にかけて実施される健康日本21(第2次)で、最終年度の2022年度(平成34年度)に自然増で見込まれるこの割合(22.2%)の2%減少を目標に、国を挙げて様々な取り組みを行っている。
後半は、国立国際医療研究センター病院の藤谷順子医師と石井光子医師へのインタビュー「床ずれ予防の3本柱は除圧・スキンケア・栄養管理」をお届けする。
◎日清オイリオ
http://www.nisshin-oillio.com