認知症の患者本人や介護家族が体験談を語るウェブサイト「認知症の語りデータベース」のアクセスが、2013年7月の公開から累計で65万件を超えた(2月末現在)。
同サイトには、具体的な症状や介護の苦悩を語る約40人のインタビュー動画などが掲載されている。データベースを作成したのは、富山大大学院の竹内登美子教授(老年看護学)で、2009年から文部科学省の科学研究費を受けて実施され、運営はNPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」が担当。
インタビューに答えるのは、若年性認知症と診断された患者7人と介護にあたる30~80代の家族35人で、言葉が消えていく不安感、昨日までできていたことが急にできなくなることに戸惑う家族の思い、そのような状況だからこそ強まった絆等、表情や声の調子等の情報が加わった語りの映像や、匿名を希望する方の音声や文章で紹介されている。また、「診断されたときの気持ち」「病気と仕事のかかわり」といったトピック別や語り手の立場別、認知症のタイプ別に分類されていて、関心のある内容が検索しやすく工夫されている。
なお、同サイトでは、新たに「認知症高齢者のご本人」「レビー小体型や前頭側頭型の認知症のご本人」のインタビューも開始するので協力者を募集中だ。
また、2013年7月に開催された「認知症本人と家族介護者の語りウェブページ公開記念シンポ」の「もっと知りたい認知症Q&A~体験者の声から学ぶ」も閲覧できる。
◎ウェブサイト「認知症本人と家族介護者の語り」
http://www.dipex-j.org/dementia/
◎インタビューへの協力
http://www.dipex-j.org/join/889.html