消費者庁は、3月26日、高齢消費者への悪質電話対策モデル事業の実施結果を発表した。
モデル事業は、2013年9月末から約5か月間、岩手県、千葉県、大分県の3県の特定の市町村(5地域)において実施。高齢者に定期的に電話をかけて問合せや注意喚起(見守り)を行うとともに、通話を録音するなどして被害の抑止を図った。
その結果、対象世帯では電話をきっかけとする被害はなく、電話見守りにより、約95%が安心感につながり、事前警告機能のある通話録音装置を設置した世帯では悪質な電話が大幅に減少したことがわかった。
また、地方消費者行政活性化交付金の先駆的プログラムにより、悪質商法に用いられた電話番号からの着信を自動で拒否する機器の設置など、地方自治体が主体的に行う施策を8地域で支援。
消費者庁では、これらの成果を分析・検証して、地方自治体向けに手引き(高齢消費者の悪質電話勧誘からの被害防止対策の導入の手引き)を作成し、被害の防止を図るという。
モデル事業の内容と主な結果は以下のとおり。
【モデル事業(高齢消費者の二次被害防止モデル事業)」の概要】
■実施期間:2013年9月末から2014年2月末までの約5か月間
■実施地域:
5地域において合計522世帯に電話での見守りを実施し、そのうち238世帯の協力を得て通話録音装置を設置、不審な電話の録音データが取れた場合は、訪問してそのデータのみ回収し、高齢消費者への相談・あっせん対応や手口公表、行政処分などの活用を図った。
■対象者へのアンケートの結果(421人回答、回収率80.7%)
・実施前に比べ、約4分の3の対象者で不審電話の回数が減少し(回数は約4分の1に減少)、約95%の対象者から、電話による見守りが安心感につながったと回答。
・通話録音を事前に警告する機能がある装置を設置した世帯では、悪質な電話が大幅に減少、約96%の対象者がその装置の設置が安心感につながったと回答。
◎消費者庁
http://www.caa.go.jp/