厚生労働省は3月25日、特別養護老人ホームの入所申込者の状況について取りまとめ、公表した。
次期改正では、地域包括ケアシステムの推進とともに、施設はより重度の要介護者の暮らす場所として位置づけられ、特別養護特別養護老人ホームへの入所は、要介護3以上とされた。しかし、現状も待機者が多いため、実質要介護3以上の重度者しか入所できないとの声は多い。そこで入所申込者、つまり待機者の状況がどうなのかを調査し、今回公表した。
厚労省がまとめた統計によると、現在の特養入所申込者は、約52.2万人であり、そのうち入所の必要性が高い要介護4及び5で在宅の入所申込者は、約8.6万人だったことがわかった。つまり、現在の待機者のうち、実際に入所できるのはわずか16%にすぎない。
そして、約18万人にもおよぶ要介護1~2の人は、今後、もっと状態が重くならないと入所できないことになる。実質的には、重度化を見越して早めに申込みをしておく人も多く、本当に入所が必要な人と、そうでない人の見極め方が、今後求められそうだ。
単位:万人
*要介護1~2の人数には、要支援等で入所申込みをされている方の人数を含む。
*千人未満四捨五入のため、合計に一致しないものがある。
◎厚労省