共同通信などの報道によると、19日午後、大阪府高槻市に住む無職 山植徳造さん(83歳)方の風呂場で、徳造さんと妻の清子さん(82歳)が亡くなっているのを、隣人が発見し、警察に通報した。
高槻署によると、2人は浴槽の中で発見され、妻の清子さんの上に徳造さんが覆いかぶさるような状態だったという。
調べでは、徳造さんには心臓疾患があり、清子さんもパーキンソン病にかかっており、歩行が困難だったという。警察では、夫が妻の入浴を介助している最中に発作等で倒れ、妻は倒れてきた夫の下敷きとなって溺れて亡くなった可能性があるとして、現在、死因を詳しく調べている。
老老世帯での痛ましい事故がまた起こった。ふたりは介護保険も利用しており、18日には2人とも近所のデイサービスに通い、いつもどおり帰宅したことがわかっている。しかしその際、徳造さんは高熱があるなど、体調不良を職員に訴えていたという。
デイサービスでは入浴しなかったのか、体調不良を事業所はケアマネジャーや医療機関に連絡することなく、見過ごしてしまったのか。なにより、身体の不自由な妻の入浴介助するリスクを、ケアマネジャーは事前のアセスメント等で回避できなかったのか。さまざまな後悔の念が残る。
地域包括ケアシステムでは、こうした世帯を24時間いつでも必要な時にスポット的にサービスに入ったり、定期巡回では深夜のおむつ交換などにも対応でき、医療機関などへの連絡網も整備することで在宅の要介護高齢者を支えることになっている。
しかし、やはり24時間見守りのなかで生活する施設とは違う。このような痛ましい事故を未然に防ぐには、どうすればいいのか――なお一層のサービスの整備が急がれるところだ。