厚生労働省大臣官房統計情報部は、2月19日、第8回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況を公表した。
この調査は、団塊の世代を含む全国の中高年者世代の男女を追跡して、その健康・就業・社会活動について、意識面・事実面の変化の過程を継続的に調査し、行動の変化や事象間の関連性等を把握し、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的として、平成17 年度を初年として実施しているもの。
第8回調査における対象者の年齢は、57~66歳であり、親の介護を行う世代ということで、今回は、概況のなかから介護にかかわる部分を紹介する。
第1回調査から第8回調査までの世帯構成をみると、「夫婦のみの世帯」は、第1回21.2%から第8回34.6%と増加している。一方、「三世代世帯」は、第1回22.4%から第8回16.0%、「親なし子ありの世帯」は、第1回39.0%から第8回29.7%と減少している。
世帯構成の変化について、第1回調査から「夫婦のみの世帯」に変化した割合をみると、「親なし子ありの世帯」で30.5%、「親あり子なしの世帯」で22.4%と高くなっている。
つまり、この7年間で、「夫婦のみの世帯」は増加、「三世代世帯」、「親なし子ありの世帯」は減少していることがわかった。
第8回調査で介護をしていると答えた者の割合は12.9%であり、ここ数年の傾向に変化はない。しかし第1回は8.5%だったことを鑑みると、ゆるやかに上昇している。また、第1回から第8回までに介護をした経験がある者(1回でも「介護をしている」と答えた者。以下同様)は、3割を超えている。一時的に介護をして、その後、施設や病院などへ移ることも考えられ、中高年の3割が「介護経験あり」という結果となった。
第1回調査からの就業状況の変化を、第1回からの介護をしている状況の変化別にみると、「退職」(第1回に仕事をしていて、第8回までに仕事をしていない状態に変化)した割合は、「介護を「していない」から「している」に変化」した者が23.0%と高くなっている。
介護をしている状況の変化別に第1回調査以降に「退職」した者の割合をみると、「介護を「していない」から「している」に変化」した者で高いことが明らかとなった。
◎第8回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/chukou13/