独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2月17日、NEDOの生活支援ロボット実用化プロジェクトの成果を用いた日本企業の機器が、生活支援ロボットの安全性に関する国際規格SO13482の認証を世界で初めて取得したと発表した。
認証を取得したのは、パナソニック株式会社のフルリクライニング車いす付きベッド「リショーネ(R)」と、株式会社ダイフクの配送センター内高速ビークル(無人搬送車)の安全技術「エリア管理システム」。
介護の負担軽減など生活分野でのロボット技術の活用が期待されているが、現状では安全性や技術についての規格は未整備で、技術開発や普及を進めるために、安全基準の国際標準が求められている。
NEDOでは、2009年度から5年計画で「生活支援ロボット実用化プロジェクト」を実施し、ロボットメーカーや試験研究機関・認証機関が連携しながら本質安全・機能安全の試験を行い、安全性などのデータを取得・蓄積・分析し、具体的な安全性検証手法の研究開発を行ってきた。2010年には、茨城県つくば市に開発拠点として「生活支援ロボット安全性検証センター」を設立し、生活支援ロボットの安全性検証試験を行っている。
また、国際標準化提案と認証手法の開発も行い、同プロジェクトの提案を基に、2014年2月1日に安全に関する国際標準規格ISO13482が正式発行された。
今回、一般財団法人日本品質保証機構(JQA)は2月17日付でパナソニックの「リショーネ(R)」とダイフクの「エリア管理システム」に対して、世界で初めてISO13482に基づく認証を行い、パナソニックとダイフクに対して認証書を発行。2社に対してISO13482が認証されたことにより、安全認証を受けようとする企業活動が活性化され、さらに安全性を高めた生活支援ロボットの活躍が期待できるようになるという。
今後、NEDOでは、生活支援ロボットの安全検証手法の開発を進め、プロジェクトに参加している他のロボットの認証の早期実現を目指すとともに、試験方法やロボット形式各論についての国際標準化提案活動も行っていく。
◎独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
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