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＜認知症治療に期待＞神経幹細胞の制御法を開発――慶大

慶應義塾大学医学部は、1月14日、認知症治療の可能性を拓く神経幹細胞の制御法を開発したと発表した。

研究は、慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授、島崎琢也専任講師、理化学研究所統合生命医化学研究センター免疫転写制御研究グループの金田勇人上級研究員らのグループによるもの。

超高齢化社会における認知症患者の増加などで、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患を含む中枢神経系の傷害の効果的な治療法の開発は、重要な社会的課題となっている。
その抜本的解決策として幹細胞を用いた薬剤開発や再生医療が期待されているが、幹細胞から特定の細胞を均質、効率的に得るのは未だ困難で、幹細胞を制御する分子メカニズムの解明が急務となっている。

今回、同研究グループは、中枢神経系を構成する細胞の元となる神経幹細胞の分化能が、特定の小分子RNAによって制御されていることを明らかにすることに成功。これは、新しい幹細胞制御法につながる画期的な発見であると考えられるという。同研究グループでは、今後、特定の神経細胞の産生により、神経変性疾患に関する薬剤開発や細胞治療などへの応用が期待できるとしている。

同研究成果は1月13日（月）の週、米国科学アカデミー紀要のオンライン速報版で公開された。

◎慶應義塾大学
http://www.keio.ac.jp/