消費者庁は、12月18日、年末年始に向けて高齢者の餅による窒息事故への注意喚起を行った。
窒息の事故の多くは家庭内で発生し、とくに餅による窒息事故は高齢者に多く、例年12月・1月に多発している。窒息事故の状況や事故の原因を理解し、未然に防ぐことを目的に、今回の注意喚起となった。
あわせて、高齢者の口内や喉の特徴、餅の特性を踏まえた事故防止策も公開しているので、ぜひ参考にしたい。
また、同庁では、消費者への注意喚起ともに全国餅協同組合にも注意表示の要請を行っている。
■不慮の窒息事故の80%以上が高齢者
厚労省の調査によると、不慮の窒息による死亡者数は毎年1月がもっとも多く、次いで12月が多くなっている。年間を通し、不慮の窒息による死亡者の85%が65歳以上の高齢者だが、1月はその90%を高齢者が占めている。
また、不慮の窒息事故のうち、食べ物が気道に詰まり、窒息した事故で高齢者が占める割合は40%を超えている。
餅などによる窒息事故の数は、東京消防庁・大阪消防庁の数値を参照されたい。
・東京消防庁管内での餅・団子などによる窒息事故で救急搬送された人数は、1998年から2012年までの5年間で608人で、そのうち90%を高齢者が占めている。
・大阪消防庁管内での餅による気道閉塞・窒息で救急搬送された人数は、1998年から2012年までの5年間で101人で、そのうち80%以上を高齢者が占めている。
■事故防止ためのアドバイス
・冬の寒い朝のひと口目に注意!
朝起きてすぐは口の動きがスムーズではなく、また、寒い冬は温かい餅も食べている間にかたくなってしまう。餅をしっかり噛んで食べられるよう、食事の前に会話するなど口の準備運動をしたり、スープなどで喉を潤してから食べる。
・小さな餅も口の中でよく噛む
餅を小さく切ってもそのまま飲み込んでしまうと、喉の中で餅がくっつく危険が。口の大きさにあわせた少な目の量を口に入れ、餅に唾液を含ませられるよう、しっかり噛んで食べる。
・しっかり飲み込んでから次のひと口を
しっかり噛み、口に入っている分を飲み込んでから、次の餅や食べ物を口の中に入れる。よく噛まないうちに、お茶などで流し込むのは厳禁。
◎消費者庁
http://www.caa.go.jp/