高齢者が「1日にとりたい食品と量」――老年学講座レポート3

東京都老人総合研究所が開催した老年学公開講座では、同研究所福祉と生活ケア研究チームの成田美紀氏が登壇し、「おいしく食べて介護いらず」をテーマに高齢者が食生活を通じて元気を保つにはどうしたらよいか、3つのキーワードをもとに講演した。

まず1つ目の「てきぱき作る」は、食事づくりで認知機能を鍛えることを指す。成田氏は、アメリカの老年学者ロートンが提案したIADL(手段的日常生活動作)の評価項目、8項目「食事の準備」「買い物」「掃除」「洗濯」「電話の使用」「乗り物の利用」「服薬管理」「家計管理」を高齢者の自立能力を測る物差しとして紹介した。

2つ目のキーワードは「いろいろ食べる」。これさえとれば老化が防げるなどという食品は存在しないと断言する成田氏は、高齢者をターゲットに氾濫する健康情報に警鐘を鳴らし、バランスのよい食事を摂る目安となる「食品摂取多様性スコア」を紹介した。
このスコアは10食品についてほぼ毎日(1週間に5日以上)食べれば1点として10点満点で食事内容をチェックするもの。会場では実際にスコアを書き込んだ参加者らに挙手が求められ、4〜8点という人が最も多かった。成田氏からは肉類・油脂類を控えるあまり、血液中のたんぱく質、アルブミン値が低い高齢者が多く、アルブミン値が低いと生存率も低く、歩く速度が遅くなることなどが指摘された。

次に、多様な食品をどのくらい食べたらよいかについて、手の大きさを目安に「1日にとりたい食品の量」が示された。成田氏は、野菜、海藻、いもなどの“副菜”は加熱により量が変化するので注意するよう呼びかけ、加熱前や生野菜は“両手”、根菜やいもは加熱前でも片手を目安にすることなどがイラストを用いて説明された。

3つ目のキーワード「みんなで楽しむ」について、成田氏は周りの人とコミュニケーションをとりながら食べることを推奨した。具体的には在宅への配食サービスは個々に食べる「孤食」となりやすく、会食サービスや料理教室などを利用して社会や他者とのつながりを保つ努力をするよう呼びかけた。

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