読売新聞や東奥日報などの報道によると、青森県青森市で、80歳の夫が、72歳の妻を棒で殴り殺し、逮捕される事件が起きた。
事件が起きたのは11月24日。青森市内に住む無職の鹿内輝雄容疑者(80)から、青森署に「妻とけんかをした。倒れて意識がない」と110番通報があった。救急隊員が駆けつけたが、妻はすでに死亡しており、鹿内容疑者が妻を角材で殴ったことを認めたため、傷害の疑いで青森署が緊急逮捕した。
青森署の発表によると、司法解剖の結果、死因は外傷による多臓器不全。腕や背中にもけががあったことから、継続的に暴行を加えていた疑いがあるとみて、同署は傷害致死容疑に切り替え、捜査を続けている。
鹿内容疑者は妻と2人暮らし。今年の夏には近隣住民から、「鹿内容疑者が妻に暴力を振るっているようだ」と県警に通報があった。警察は暴力をやめるよう警告したが、その際、鹿内容疑者は「妻の介護でストレスがたまっていた」と話したという。
一方、青森市によると、妻には1年ほど前から認知症の症状が出ており、近所の人が、徘徊する妻を探す鹿内容疑者の姿をたびたび目撃していた。8月には地域包括支援センター職員が週1回、様子を見に訪問していたが、鹿内容疑者は「何も困っていない」と、職員を拒み、家に入れなかったという。そこで、市は9月に夫婦と面会したが、介護保険や福祉施設などの利用は鹿内容疑者に拒否されたという。
同市高齢介護保険課では「見守りをしてきたという思いがあるだけにショック。対応を検証したい」と語っているという。