東京都は、10月30日、「こころの病気に関する世論調査」の結果をまとめ、公表した。この調査は、こころの病気に関する都民の意識を把握し、今後の施策推進の参考とするもの。
調査項目は、1)こころの健康状態及びこころの健康に関する知識、2)こころの病気について知る機会について、3)こころの病気がある人への関わり方について、4)こころの病気に対する社会の理解促進について、の4項目。
うつ病やパニック障害、各種の神経症などは、ストレスフルな現代社会において、珍しい病気ではなくなっている。介護の世界では、認知症もそんな病気のひとつだ。ちょっと人に言いにくいこころの病気について調査したところ、興味深い結果が得られた。
以下に、その結果の概要をお伝えする。
■こころの健康状態及びこころの健康に関する知識
・不安やストレスの有無-「感じる」が65%
・こころの病気にかかる可能性
「自分自身がかかる可能性がある」は30%、「家族や友人など周囲の人がかかる可能性がある」は53%
・こころの病気の認知度
うつ病、パニック障害、認知症、アルコール依存症はいずれも80%以上、統合失調症は68%
(「病気の内容を知っていた」と「名前は聞いたことがある」の合計)
■こころの病気について知る機会
こころの病気がある人と話した経験-「ある」が55%
話した場所は、「家庭・隣近所などの生活の場」が55%、「職場」が46%
こころの病気がある人や家族の相談に乗った経験-「ある」が45%
情報の入手度
「積極的に情報を得るようにしている」と「機会があれば情報を得るようにしている」の合計は54%
情報を得ようとしていない理由は、「関心がない」が38%、「どのように得ればいいのか分からない」が24%
•相談窓口の認知度
「区市町村相談窓口」33%、「保健所」27%、「精神保健福祉センター」20%
こころの病気についての認知度
■こころの病気がある人との関わり方
家族や親しい親戚がこころの病気になった場合の考え
「自分から相談に乗ろうと思う」25%、「家族や周囲の人と相談した上で対応したいと思う」65%
こころの病気がある人が隣近所に暮らした場合の接し方
「自分から相談に乗ろうと思う」と「困っていたら相談に乗ろうと思う」の合計は49%
■こころの病気に対する社会の理解促進
社会の理解を深めるために効果的なこと
「行政による普及啓発」86%、「病気のある人が働きやすい環境づくり」84%、「学校教育」83%
「病気のある人の家族による情報発信」74%、「病気のある人の家族との交流促進」74%
◎こころの病気に関する世論調査<概要>
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2013/10/60nau102.htm