東京都は、11月7日、集団感染が流行する時期として、高齢者施設などに対して「ノロウイルス等による感染性胃腸炎にご注意ください!」と、注意喚起を呼び掛けた。
例年、11月から2月にかけての時期は、保育園や幼稚園、高齢者施設などを中心に腹痛、下痢、嘔吐を主な症状とする「感染性胃腸炎」の集団感染が多数報告されている。
これからの時期においては、各施設において手洗いの徹底や、施設の衛生的管理など、感染症の予防のため特に注意し対策を行うことが必要だ。習慣としている管理を見直すなどして、今後の流行に備えて十分な注意を払うことが求められる。
ちなみに、昨シーズンは、都内の保育施設や高齢者施設等から、11月から2月までの期間で487件、年間では567件と過去5年間で最も多い件数の集団感染事例が報告されている(今シーズンは11月3日までに10件)。
感染性胃腸炎の患者報告数は、第44週(10月28日~11月3日)において4.5人/週(定点医療機関当たり報告数)となっており、昨年同時期(5.6人)と比べやや低い数となっているが、例年では11月以降患者報告数が増加する傾向がある。
<都内における感染性胃腸炎の集団感染事例報告件数>(平成25年(2013年)第44週まで)
東京都では、感染症発生動向調査における定点医療機関から保健所への報告において、定点当たり患者報告数が20人/週を超えた保健所の管内人口の合計が、東京都の人口全体の30%を超えた場合には、広域的に流行が発生・継続しているとして警報を発している。現時点では、警報基準には達していないが、高齢者は特に、感染すると体力の消耗も激しく、重度化しやすい。
都では、保健所における地域住民・施設等への助言・指導等の実施や、地域において施設等の実態を踏まえた助言や指導等を行っている。インターネットでも予防対策等を随時公開しているので、介護現場ではこれらを参考にし、感染させないための衛生管理を職員に徹底されたい。
◎社会福祉施設等における感染症予防チェックリスト
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/chetukurisuto.files/chetukurisut_hukusi.pdf