国民生活センターはこのほど、増加する健康食品の送りつけ商法の新たな手口への注意喚起を行った。
突然の電話で、申し込んだ覚えがない健康食品を強引に送りつけられる「健康食品の送りつけ商法」に新しい手口が広がっている。商品とともに消費者の名前と住所が既に書かれた現金書留封筒を同封して送りつけ、その後電話をかかり、代金を郵送するよう消費者に指示する手口だ。業者は脅すような口調で支払いを迫り、怖くなった消費者は指示に従いお金を送ってしまうという。
トラブルにあう人のはほとんどが高齢者であり、センターでは周りの高齢者がトラブルに巻き込まれないよう家族や周囲へも注意喚起している。
■主な相談事例
・現金書留封筒を同封して健康食品を送りつけ、電報を使って支払いを迫る
「注文を受けた健康食品を送る」との電話がかかり、少し前に購入した健康食品のサンプルの業者かと思い、
キャンセルを申し出ると「キャンセルはできない」と言われ、仕方なく承諾した。商品は送料着払いで届き、代金は4万円、送り先と名前、金額が記入された現金書留の封筒が一緒に入っていた。数日後、業者から電話で「年金が入ったらすぐに商品代金を支払え」と言われ、電報も届いた。心配で夜も眠れない(80 歳代女性・愛媛県)。
・現金書留封筒を同封して健康食品を送りつけ、支払うよう何度も電話をかける
20日ほど前に全知らない業者から商品が宅配便で届き、健康食品と現金書留封筒が入っていた。連絡先に電話すると「以前電話で注文を受けた。送った健康食品をつくるために10 万円以上もかかっているので、送金しないとと訴える」と言われたが「注文していない」と言ったら、電話が切れた。その後、たびたび「早く払え」との電話がある。(80 歳代女性・秋田県)
・認知症の高齢者に複数の販売業者から健康食品が送りつけられている
親元に帰省したところ、健康食品(きのこの加工食品)が宅配便にて3 箱送付されているのを発見した。うち、2 箱は先月と先々月に代金引換の宅配便にて送付されていた。親は認知症だが、合計5万円を支払った形跡がある。残りの1 箱は異なる業者て、同封の現金書留封筒で21万円が請求されているが未払い。どのように対応すべきか。
■消費者へのアドバイス
・申し込んだ覚えもなく、購入するつもりがなければきっぱり断る。
・断ったにもかかわらず一方的に送りつけられた場合、商品を受け取り拒否する。
配達業者に「受け取りません」と伝える。現金書留封筒を同封して商品を送りつけてくる手口では、商品を受け取ってしまっても、お金を郵送しないこと。
また、電話で勧誘され承諾してしまった場合、書面を受け取った日から8日間クーリング・オフが可能で、8日間を過ぎてもトラブルを解決できるケースもある。
・困ったことがあれば、すぐに近くの消費生活センターに電話する。
・脅されるなど恐怖を感じたら警察にも電話する。
健康食品の送りつけ商法については、業者が摘発されたケースも。積極的に警察へ情報提供する。
・高齢者がトラブルにあっていないか見守る。
普段から健康食品を利用している高齢者も多いので、同居している家族は、高齢者が利用する健康食品の商品名、販売業者、配達される時期など把握しておく。
◎国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/