<脳卒中リスク>女性の飲酒と脳出血・脳梗塞との関係

国立がん研究センターは、9月25日、日本人女性の多量飲酒と脳出血や脳梗塞発症の関係についての研究を発表した。

同センターが40~69歳の女性を対象に飲酒習慣と脳卒中虚血性心疾患の発症を調べたところ、多量の飲酒で脳卒中の発症リスクが増加し、女性の健康維持のためには、1日1合未満の節酒が望ましいと考えられることがわかった。
アルコール摂取量と脳卒中虚血性心疾患の発症リスクについてのこれまでの研究報告の多くは男性を対象にしたもので、日本人女性を対象にした多量飲酒と脳出血、脳梗塞の発症リスク増加との関連が示されたのは初めて。

【研究の概要】
平成2年(1990年)に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部の4保健所(呼称2012年現在)管内に住む40~59歳の女性、平成5年(1993年)に茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の5保健所(呼称2012年現在)管内に住む40~69歳の女性に飲酒習慣を含むアンケートに回答を依頼。
そのうち、調査開始時にがん、循環器疾患でなかった約47,000人を平成21年(2009年)まで平均で約17年間追跡し、アルコール摂取量と脳卒中虚血性心疾患の発症との関連について調べた。

■多量飲酒で脳卒中の発症リスクが増加
追跡期間中に1,864人が脳卒中になり、内訳は脳内出血が532人、くも膜下出血が338人、脳梗塞が964人、その他が12人だった。また、292人が虚血性心疾患にかかった。
アンケートの結果からアルコール摂取量を算出し、「飲まない」「時々飲む」「週に1-74g(日本酒換算で1日に0.5合未満)」「週に75-149g(0.5-1合未満)」「週に150g-299g(1-2合未満)」「週に300g以上(2合以上)」にわけ、「時々飲む」を基準として発症リスクを算出した。

その結果、すべての脳卒中については、「時々飲む」に比べて、「週に150-299g」で1.55倍、「週に300g以上」で2.30倍と発症リスクが増加した。また、「週に300g以上」で、出血性脳卒中(脳内出血とくも膜下出血)で2.38倍、脳内出血で2.85倍、脳梗塞で2.03倍と発症リスクの増加が認められた。一方、虚血性心疾患では発症数が少なく、はっきりした傾向はみられなかった。

また、アルコール摂取量と全脳卒中の発症リスクについて、年齢(40-55歳/56-69歳)、高血圧既往(あり/なし)、喫煙状況(喫煙/喫煙していない)にわけて検討したところ、若い群、高血圧なし群、喫煙していない群でリスクが高くなる傾向があったが、高齢群、高血圧群、喫煙群と比較して明らかな差(交互作用)は認められなかった。

追跡調査の結果から1日1合程度の飲酒から脳卒中の発症リスクの増加が確認されたこと、本研究グループの先行研究で1日1合以上の飲酒による乳がん発生のリスク増加が報告されていることからも、女性の健康維持のためには、1日1合未満の節酒が望ましいと考えられる。

◎国立がん研究センター
http://www.ncc.go.jp/jp/

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